ナノテクト®のアブダビ国営石油企業ADNOCでの採用について

2019年08月08日

 2019年8月

株式会社竹中製作所

株式会社GSIクレオス

 

ナノテクト®のアブダビ国営石油企業ADNOCでの採用について

-高機能表面処理を施した金属部品を中東で拡販-

 

株式会社竹中製作所(大阪府東大阪市/代表取締役社長 竹中佐江子 以下竹中製作所)と株式会社GSIクレオス(東京都千代田区/代表取締役社長 吉永直明 以下GSIクレオス)が共同開発した高機能表面処理・ナノテクト®が、UAE・アブダビの国営石油企業であるADNOCの主要構成企業であるADNOC Gas Processing (以下ADNOC GP)で、同社プラントの締結部材向け表面処理として採用されることが決まりました。
まずは、同社が保有する5つの巨大プラントで、この表面処理を施した金属部品が使用されることとなります。

 

今回の採用を機に、竹中製作所とGSIクレオスは、2016年に共同で設立したUAE内の拠点※を活用し、中東全域の石油・ガスプラント等に向けてナノテクト®表面処理品を拡販してまいります。
同時に、アジアや米州などで同様の過酷環境に位置するプラントへの同商材の販売を図ってまいります。
これらの販売活動を通じて、「構造物の超長期間の保全」に向けた取り組みを進め、「環境負荷の低減」と「持続可能な社会の実現」に貢献してまいります。

 

ナノテクト®は、GSIクレオスのカップ積層型カーボンナノチューブを、竹中製作所の有する高度な分散技術と被膜形成技術を駆使して塗料内に複合被膜化したことで生まれた高機能表面処理で、カーボンナノチューブ由来の高い耐摩耗性や衝撃耐久性に加え、業界最高水準の防錆性(塩水噴霧試験で4,000時間以上の防錆能力)などの驚異的な性能を誇ります。
この表面処理は、2016年に「カーボンナノチューブ複合樹脂塗膜」としてJIS規格化されましたが、これはカーボンナノチューブが含まれる工業製品の技術としては、わが国初のJIS規格化事例となっております。

近年、竹中製作所とGSIクレオスは、中東沿岸地域や砂漠などの過酷環境に位置するプラントでナノテクト®表面処理金属部材(ボルト・ナット等)のフィールドテストを行ってまいりましたが、この度、ADNOC GPのプラントにおける、過酷環境での4年間のフィールドテストが良好に終了いたしました。  

ADNOC GP技術委員会は、テスト済みのボルト・ナットを詳細に分析評価した結果、次のような勧告を行い、ナノテクト®の採用を決定しました。

1.過酷環境において、従来のフッ素系塗料による塗膜に比べ優れた防錆性能を示した。

2.特に硫黄分の多い環境において、従来塗膜では見られない顕著な防錆性能が発現した。

3.通常は激しい腐食を示す異種金属間の締結でも、優れた防錆性能、耐久性を示した。

4.これらの防錆性能および高度な機械的特性により、ナノテクト®被膜のボルト・ナットは長期間の使用、あるいは再使用が可能となり、ライフサイクルコストの低減に貢献すると考えられる。

5.これらの事実から、ADNOC GP技術委員会は、フッ素系を含む従来のポリマー系塗料による塗膜に替え、腐食環境、特に硫黄分を含んだ環境でのナノテクト®による塗膜を勧告する。

以 上

 

※TAKENAKA MIDDLE EAST LLC:

ボルト・ナット等の金属部品に高機能表面処理を施し、処理後の部品を中東で販売するUAE内の加工拠点。

 

ADNOC (Abu Dhabi National Oil Company)

世界の有力な多角的エネルギー・石油化学グループの1つであり、日量約300万バレルの石油、同約105億立方フィートの天然ガスを生産する。UAEの成長と多様化を推進している企業の1つである。

 

<本件に関するお問い合わせ>

株式会社竹中製作所 総務部 Tel 06-6789-1555 中尾

株式会社GSIクレオス 経営企画部 企画広報課 Tel 03-5211-1802 谷村、小野